ABC分析と物流ABC
ロケーション管理のABC分析(パレート分析)と物流ABC(Activity-Based Costing : 活動基準原価計算)
物流分野のABCには
①物流センター内のロケーション管理(在庫を保管する場所の管理)に利用され、商品の出荷件数を分析する「ABC分析」(パレート分析)
②Activity-Based Costingの略で、日本語では活動基準原価計算と呼ばれる原価計算の手法である「物流ABC」
の2つがあります。
同じABCという呼び方でも、全く異なるものを指しています。
① 出荷件数のABC分析(パレート分析)とロケーション管理
ABC分析はJIS Z 8141-7302で定義されており、在庫や資材を「重要度」に応じて3つのグループに分ける管理手法です。
• Aグループ:少数だが金額や重要度が大きい品目
• Bグループ:中程度の重要度を持つ品目
• Cグループ:多数だが金額や重要度が小さい品目
この考え方は「重点管理の原則」に基づいており、すべての品目を同じように扱うのではなく、限られた管理資源を最も効果的に配分するために使われます。
物流分野では、ABC分析はロケーション管理(在庫を保管する場所の管理)に利用され、商品の置き場所を決める指針となります。
物流センターでは保管スペースを効率よく使い、作業者がムダ無く作業をできるようにロケーションを管理することが重要です。
まずは、商品ごとに出荷の件数をABC分析(パレート分析)して出荷数量の多い商品から少ない商品を順に並べて表に整理します。
次に、出荷する数量が多く、頻繁に出入りする商品は入口近くに配置します。
ロケーション管理には「固定ロケーション」と「フリーロケーション」があります。
② 固定ロケーションとフリーロケーション
固定ロケーションでは商品と保管場所を紐付けて(関係性を固定して)管理します。商品の置き場所が決まっているため、どこに何がおいてあるかわかりやすく、入出荷時の作業者の負担が少なく効率が良いです。しかし、自由に保管場所を変更できないので、需要が減った時に空きスペースができて保管効率が落ちることがあります。
フリーロケーションは商品と保管場所を紐付けず(関係性を固定せず)管理します。急に物量が増えた際などに対応しやすく、作業者の裁量で場所を決められるので保管効率が上がります。
しかし、保管場所を作業者間で都度情報共有する手間がかかることや、同じ商品を複数の場所に保管する非効率が生じ、作業が増える場合があります。
固定ローケーションとフリーロケーションには一長一短があります。
③ 物流ABC
(Activity-Based Costing : 活動基準原価計算)
物流ABCは物流センター内の業務にかかるコストを活動別に計算し、コスト発生の原因を探る手法です。
活動コスト=人件費+消耗品費+設備費 の式で算出し、人件費は人数x時間x給料(単位時間あたり)で計算します。
物流ABCの手順は
①活動の定義
②人件費(人数x時間x給料)を測る
③人件費と消耗品費を足して活動コストとする
で行います。
導入すると、顧客単位の採算性を把握、出荷ケースごとのコストの算出、商品ごとの費用分析、などができるようになります。
物流センター内の仕切りや通い箱
折りたためる仕切りやオリコンの導入で、保管スペースの向上を期待でき、場合によっては荷役の工数を削減することができます。
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