プラダンコンテナ、通い箱(通函)の緩衝材の種類と選び方
通い箱(通函)の中に使われるスポンジ状の緩衝材(クッション)には様々な種類があります。
運ぶ製品・商品・部品の特徴や輸送経路に合わせたオーダーメイドの緩衝材をご提案いたします。
通い箱の中に使われるスポンジ状の緩衝材(クッション)は主に3種類のポリエチレン発泡体が使われます。
1つ目は、原料を金型に通して「ところてん」を作るように押し出して製造する無架橋発泡ポリエチレン押出厚板。
2つ目は、大きな四角い弁当箱のような金型の中に、ビーズ状(粒状)で無架橋の原料を入れて発泡させるビーズ法発泡ポリエチレンフォーム。
3つ目は、上記と同じく大きな四角い弁当箱のような金型の中に架橋の原料を入れて発泡させる化学架橋ポリエチレン樹脂発泡体です。
上記以外では食器洗いのスポンジのような軟質のポリウレタンフォームを使う事があります。
無架橋発泡ポリエチレン押出厚板の特徴
無架橋発泡ポリエチレン押出厚板のメリットは安価でお求め安いことです。通い箱の緩衝材を検討する際に、ビーズ発泡ポリエチレンフォームと共に最初に検討される素材です。また、緩衝設計の方法論も確立されていて、コンピュータのシミュレーションで輸送テストができます。白物家電やパソコンなどの梱包を検討する際には無架橋発泡ポリエチレン押出厚板を選ぶことになります(※ 輸送のシミュレーションは主に一方通行のワンウェイ輸送を検討する際に行われ、何度も使う通い箱の中の緩衝材として導入する場合はあまり行われることがありません)。
ビーズ法発泡ポリエチレンフォームの特徴
ビーズ法発泡ポリエチレンフォームのメリットは無架橋発泡ポリエチレン押出厚板と同じく安価で加工性が良いことです。通い箱の緩衝材を検討する際に、無架橋発泡ポリエチレン押出厚板と共に最初に検討される素材です。また、抜型を使ってプレス加工しても、円柱形の穴などの断面が膨らむことが少なく、比較的精度良く生産できます。ビーズを発泡させているため、ビーズの中に水分が入り込むことが少なく、水をかぶってもすぐに拭けば中まで吸い込むことが少ないです(※ 水に浸けっぱなしにすると無架橋発泡ポリエチレン押出厚板と同様に水分を含んでしまいます)。
化学架橋ポリエチレン樹脂発泡体の特徴
化学架橋ポリエチレン樹脂発泡体のメリットは丈夫でかつ表面のキメが細かく搬送物(製品・商品・部品)を優しく保護できるところです。壊れやすい易損品の搬送物(製品・商品・部品)や表面が塗装された部品などを輸送する場合はこちらの発泡体を選択します。化学架橋で丈夫なポリエチレン素材のため、日光などの光線にも強いです。独立気泡の構造であれば発泡体の穴はそれぞれ独立しており、いわゆるスポンジと違って中まで水が浸透することがありません(※ 製品ラインナップの中には連続気泡の化学架橋ポリエチレン樹脂発泡体もあり、連続気泡の構造だと他の発泡体と同様に水分を含んでしまいます。素材を選択する際に確認が必要です)。
化学架橋ポリエチレン樹脂発泡体は主に、15倍、20倍、30倍の発泡倍率の製品が通い箱の緩衝材に採用されています。また、帯電防止グレードのみならず、導電グレードもラインナップされています。導電グレードであれば導電のプラダンコンテナやコンテナボックス(プラスチックコンテナ)と組み合わせてプリント基板などを輸送するのに相性がいいです。
しかし、デメリットとしてはコストがかかる(単価が高い)ことです。他のポリエチレン系の緩衝材に比べて丈夫なため、通い箱の中で繰り返し使うことにより、投資した費用を回収することになります。
軟質ポリウレタンフォームの特徴
軟質ポリウレタンフォームのメリットは安価でお求め安いところです。通い箱の緩衝材としては底敷きやフタ裏に貼り付けて使われたりすることが多く、プレス加工で穴をあけたりすることは少ないです。
ポリエチレンの緩衝材に比べて復元性に劣り、日光などの光線にも弱いのがデメリットです。
イワキパックスの
低発泡ポリエチレン製の仕切り素材
《FLシート》の特徴
イワキパックスでは緩衝性のある仕切り素材をラインナップし、塗装部品なども安心して運べるオーダーメイドの仕切りを製作しています。
搬送物(製品・商品・部品)の触れていいところ、駄目なところなどを詳細にヒアリングし、しっかり部品を固定してスポンジ系の緩衝材を使わない仕切りをご提案できる場合がございます。通い箱の緩衝材を導入される際にはオーダーメイドの中仕切りも平行して検討されることをお勧めいたします。
採用事例NO.16【仕切り板に緩衝材を貼って、塗装後の製品を安全に搬送。】